be_ixf;ym_202011 d_28; ct_100
閉じる
Jose Ignacio Cornejo at the 2019 Dakar
NEWS

ダカールラリー2019 – 過酷な戦いを振り返る

Jan 252019

 ダカールラリーは、過去41年間、挑戦者のメンタル、肉体、そしてエンジンに試練を与え続けてきた。2週間10のステージに及ぶ合計5,000キロ以上を走破する壮絶なレースは、ペルー国内の無数の砂地と砂漠を舞台とし、今年2019年も変わることなく開催された。モンスターエナジーHRCの各ライダーやヤマハのエイドリアン・ヴァン・ベヴェレン(Adrien Van Beveren)らのベテランライダーたちは、激しく暴れるバイクのシートに長時間跨り、ナビゲーションだけを頼りにし、危険を伴う速度域で巡行しつつ全身全霊の力を振り絞って幾多の困難に立ち向かった。

ホンダが誇る5人組、ホアン・バレダ(Joan Barreda)、ケビン・ベナバイズ(Kevin Benavides)、リッキー・ブラベック(Ricky Brabec)、ホセ・イグナシオ・コルネホ(Jose Ignacio Cornejo)、そして、パウロ・ゴンサルヴェス(Paulo Gonçalves)は、二輪部門ではほぼ間違いなく最強であったが、連続する過酷なステージ、困難なリエゾン(移動区間)、そして厳しい地形に苦しめられた彼らに、残念ながら運命の女神の微笑みは届かなかった。バレダは、ステージ1と2で快調な成績を収め、早くも総合首位に立ったが、ステージ3で砂丘の谷間に滑落して脱出不能となり、惜しくも戦線離脱した最初のライダーとなってしまった。

代わってブラベックがレースを牽引した。ゼッケン15番のブラベックは、ステージ4で今シーズン初となるステージ優勝を飾り、総合順位も1位に躍進した。こうしてブラベックは、過去30年ほどのダカールラリー史で、レース首位に立った初のアメリカ人ライダーとなった。ブラベックは、総合1位をキープしたままでレストデイを迎えた。しかし、残すところあとわずか2ステージとなったステージ8で、ブラベックのマシンにメカニカルトラブルが発生し、なすすべなく、ライバルと競り合わずして無念のリタイヤとなった。「すごく心が痛むよ。決して簡単なレースではなかったな。いったん帰宅して、休息をとってから再び戻ってくるよ。何と言えば良いか、言葉が見つからないな。これまで数日間、総合首位に立ったことはとても素晴らしかった。チームの誰もが一丸となって僕をサポートしてくれたのがとても嬉しいよ。闘志が湧いて、自信があふれ出る感じをつかむことができた。そのおかげで、最高順位で素晴らしい日々を過ごすことができたよ。」と、ブラベックは語った。

ゴンサルヴェスはステージ5で痛恨のクラッシュを喫しリタイヤ、アルゼンチン出身のベナバイズはステージ8終了後に3時間のペナルティを科せられ、上位10人から脱落した。ベナバイズはダカールラリーの最終成績では総合12位となる見込みだ。注目を集めていた「ナッチョ」・コルネホは、今回、HRCからの2度目のダカールラリー参戦で、それぞれステージ7とステージ9でステージ準優勝を獲得し、自己最高記録を達成した。チリ出身のコルネホが獲得した価値ある栄冠は、汗と涙に彩られた労苦の結晶だ。「総合7位でレースを終えることができた。凄く嬉しいよ。チームメイトたちも皆無事にレースを完走できたなら、誰かが勝利を収めた時と同じくらい嬉しい気持ちになったと思うけどね。あるステージでは、チームメイト同士で優勝を競い合ったこともある。来年、我々は間違いなくさらに強くなって戻ってくるよ。」と、コルネホは言った。

 

野営地の反対側でも、ヤマハが拳を握りしめ、唇を噛みしめてやり場のない悔しさに苛まれていた。エイドリアン・ヴァン・ベヴェレンは、2018年ダカールラリーでは激しいクラッシュでリタイヤしたものの、レース中に見せた素晴らしい猛追の手を緩めることなく、今年のダカールラリーまで一貫したアプローチを続けた。フランス出身のエイドリアンは大半のステージで上位7位に食い込む走りを展開し、リマでゴールを迎える3日前には、総合2位にまで順位を上げていた。だが、エイドリアン・ヴァン・ベヴェレンはその後、ステージ9のタイミングラインからわずか10キロを過ぎた地点で、エンジンがオーバーヒートを起こしてそれ以上動けなくなり、無念のリタイヤに沈んだ。

本当につらいけど、僕は後悔していないよ。」と、意気消沈したエイドリアンはインスタグラムで心情を吐露した。「僕は一瞬たりとも気を抜かず、毎日、1キロたりとも油断せず、この1年間、完全復帰して元のレベルに戻れるよう最善を尽くして努力したんだ。応援してくれたみんなに心からお礼を言いたいな。

 

四輪ドライバーたちと比べ、モーターサイクリストにとってダカールラリーはまるで別物であり、危険と隣り合わせのレースだ。無事にゴールしてフィナーレを迎えること自体が素晴らしい成果だが、ペルー特有の砂丘地帯に意地悪く吹き荒れる突風が容赦なく競技を困難にし、熾烈な競争をさらに盛り上げた。

 

挫折や不運にもめげず、立ち直ろうとする気持ちに勝る動機などない。今年もFIMクロスカントリーラリー世界選手権や他の最高峰のレース日程がカレンダーに続々と刻まれる。2020年ダカールラリーが視野に入る頃には、戦う者たちがいま抱える痛みも和らぐことだろう。

この記事をシェアする:

RECOMMENDED

あなたへのオススメ