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Team Liquid Nemo & John Takeuchi's interview at Japan
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EVO 2018 日本人プロゲーマーインタビュー - 竹内ジョン選手「EVOは人生が変わる場所」

Jul 262018

 Evolution Championship Series、通称EVO。

テニスのウィンブルドン、ゴルフのマスターズのような、またはボクシングのヘビー級タイトルマッチを想像してもらってもいい。それらと同じように、格闘ゲーマーに「世界一の大会は何か」と聞いたときに間違いなく真っ先に名前があがるのがEVOだ。

夏の一時期、世界中から10000人以上の格闘ゲーマーがラスベガスのマンダレイ・ベイホテルのイベントアリーナに、自らのコントローラーを抱えて集結する。最大のタイトルであるストリートファイターV決勝の視聴者数は500万人に迫り、その年の格闘ゲーム界の顔になるプレーヤーの誕生を皆が見届けるのだ。

そのEVOに、日本の1人の若者が挑もうとしている。

30代のトップ選手が跋扈する世界で、弱冠20歳にして北米の名門Team Liquidに所属する竹内ジョン。キャリア2度目の参戦となるEVOについてこう話す。

EVOを最初にちゃんと見たのは2015年、日本のももちさんが優勝した時ですね。当時の自分は、同じキャラを使っている人の中でも国内10位そこそこのプレーヤーで、プロになろうともなれるとも考えていませんでした。それでも世界にはこんなに大きい大会があるのか、強くなりたい、と思って見ていた記憶があります

その後竹内ジョンは、国内外の大会でプロたちをなぎ倒しながら頭角を現した。そしてEVOの舞台を初めて踏んだのは、2017年だった。

複数の大会で優勝を経験してはいたものの、EVOはやはり特別だったという。

その頃にはもうプロを意識していたので、EVOに行かないと始まらないという感覚はありました。2017年のはじめにフランスのカンヌの大会で優勝して賞金をもらった時に『このお金でEVOに行けるな』と思ったのを覚えてます。

でもラスベガスの行き方なんて全然わからないから、仲良くしてもらっている先輩ゲーマーに飛行機とかホテルの手配をお願いしました。本当に助かりましたね。

大会はかなり早い段階で負けてしまったんですが、本当に得るものの多い体験でした。
世界中のゲーマーが集まっているので練習相手はいくらでもいるし、決勝の雰囲気は本当にすごくて、配信ではわからなかった一体感や盛り上がり、空気感は忘れられません

あらゆる競技に共通することだが、プロになることよりもプロであり続けることのほうが何倍も難しい。竹内ジョンは今大会に何を望むのだろうか。


プロは結果を出すことが大前提です。今年はここまであまりツアーで成績がよくなくて、上位32人が出られる年末のカプコンカップもギリギリなので、ポイントの大きいEVOは本当にチャンス。狙っていきますよ


補足すると、竹内ジョンが参戦するストリートファイターのカプコンプロツアーにおいて、EVOの存在感はたしかに際立っている。優勝はもちろん2位でも他の大会の優勝以上のポイントが与えられるのだ。


しかし竹内ジョンにとっては、それ以上の意味がある。


自分の場合はプロになれたのもEVO Japanで準優勝したおかげなので、大きな大会で結果を残すと人生が変わるというのは痛感してます。でも本家のEVOで優勝したら……どうなっちゃうんでしょうね、正直想像もつかないです。ウメハラさんやときどさんのようなトッププレーヤーに肩を並べられたりするのかな(笑)。


賞金もありますけど、EVOはそれ以上に他の反響が大きい大会だと思います。世界中の人が自分のことを認識するだろうし、招待試合に呼んでもらえたり、プロとしての活動の幅が広がったりしそうですよね。そっちの方が楽しみです

大舞台を前に、カリフォルニアにあるTeam Liquidのトレーニング施設での「特訓」も検討しているという。Team Liquidは、F1のルイス・ハミルトンやMotoGPのバレンティーノ・ロッシ、スノーボーダーの平野歩夢や格闘ゲーマーのInfiltrationやなど各界のスターアスリートたちをスポンサードするモンスターエナジーファミリーのチームであり、竹内ジョンもその一員となったことになる。


その環境が、竹内ジョンにとって大きな飛躍の手がかりとなる可能性がある。


練習環境はとても大事なので、何かを変えるきっかけになると思うんですよね。機材も配信環境も揃っているし、モンスターエナジーも飲み放題なので集中力も続きそうです。EVOに最高の状態で挑むためにチームが本当に万全のサポートをしてくれていますし、世界的にビッグなアスリートやアーティストの方と肩を並べられて嬉しいですね

 

2017年のシーズン最終戦で世界一に輝いたのはドミニカの18歳だった。日本の20歳が今度は世界に旋風を巻き起こしたとしても、なんら不思議はないのだ。

 

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