
待望の画期的シーズンの幕開けだ。シルバーアロー勢は、2020年シーズンのF1世界選手権において、7度目の世界タイトル獲得を狙っている。では、彼らの最新兵器は何か? それは、メルセデス・F1 W11 EQ Power+だ。
今年のゲームの名前は、革命ではなく進化だ。冷却系に改善を施し、エアロパーツをチューニングし、さらにパワートレインをわずかに変更したシルバーアローの新たなマシンは、今シーズンの表彰台の大量獲得という輝かしい成功をめざし、ブラックリーとブリックスワースに拠点を置くメルセデスのスタッフ全員、そして特に、ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)とバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)のドライバー2名の夢と希望を乗せて疾駆する。メルセデスチームの今年初のシェイクダウンに先立ち、バレンタインデーの朝、このメルセデス・F1 W11 EQ Power+がシルバーストーンで発表された。ハミルトンとボッタスの両ドライバーは、新しく進化したマシンの感触をつかむまで100キロを超える距離を周回走行した。
メルセデスは、シルバーストーンでのニューマシン発表とシェイクダウンの場に新しいW11だけではなく、F1参入時の最初期F1マシンである2010 W01も持ち込み、これまでの10年間を振り返った。「これら歴代のF1マシンをドライブし、我々が計12ものチャンピオンシップを獲得することになるとは、当時、誰が想像し得ただろうか? 我々のすべての原点はどこだったのかを思い返すことは、常に望ましいことだ。」と、チームの代表を務めるトト・ヴォルフ(Toto Wolff)は、待ち構えていたメディアに語った。F1に大幅な改変が加わり、新しい時代に突入する2021年が近づいているため、ヴォルフは、今シーズンはメルセデスが7回目のコンストラクターズ・チャンピオンシップの獲得に集中していると強調した。
「2021年シーズン用のマシン開発に集中している人々のグループもある…。しかし、ここにいる我々レースチームは、これからの2020年シーズンが最大の関心事であり、ドライバーに与えられる最新のマシンから最大のポテンシャルをどのように引き出すのかが鍵となる。今日は、収穫の多いシェイクダウンを実施し、走行距離を稼ぎながら理想的なイメージを脳裏に焼き付け、ハミルトンとボッタスの両ドライバーがマシンに対する鋭敏な感覚を研ぎ澄ますことができれば成功だ。その後、我々はバルセロナへ向かう。これが次の重要な節目となる。これは、実に段階的なアプローチだ。我々は、遠すぎる先を見ることなく、しっかりと足元を見つめている。」と、ヴォルフは続けた。