
1つの時代の終わり、そして新しい章の始まり。9度世界チャンピオンに輝いたバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi)は、自身の最後のMotoGPのレースを終えた。
今年の初めに2021年FIM MotoGPのシーズン最終戦で引退することを発表しており、ロッシ最後の走りが1つの時代に終わりを告げることは間違いない。しかし、それは史上最高のモーターサイクルレーサーの1人のキャリアを振り返る機会でもある。
驚異的な26シーズンに渡るロッシのレースキャリアは、グランプリにおける最高レベルの戦いを象徴している。スピード、才能、そして溢れるほどのイタリア人気、の代名詞である彼の若手時代から、世界チャンピオンの座を9度得るまでの旅路は、それを認めるかどうかにかかわらず、すべてのモーターサイクルレーサーが後に続きたいと思うはずだ。
ロッシは、125cc、250cc、500cc、MotoGPで世界選手権の総合タイトルを獲得した最年少のライダーであり、アプリリア、ホンダ、ドゥカティ、ヤマハのファクトリーマシンに乗って世界の舞台に立った。さらに、彼は5種類のバイク(500cc 4気筒2ストローク、990cc 5気筒4ストローク、ヤマハ990cc 4気筒4ストローク、ヤマハ800cc 4気筒4ストローク、ヤマハ1000cc 4気筒4ストローク)でプレミアクラスのタイトルを獲得した唯一のライダーだ。
115回のグランプリ優勝(プレミアクラスで89回)、96回のファステストラップ、235回の表彰台を獲得した彼の431回のグランプリレースキャリアからお気に入りの記録や瞬間を選ぶことはほぼ不可能だ。しかし、モンスターエナジー・ライダーとしての12年間に(2009年に「Unleash The Beast(野獣を解き放て)」に署名して以来)、特に素晴らしく記憶に残るハイライトが幾つかあった。エッフェル塔前でのバーンアウトから、圧倒的だったモンツァ・ラリー、カイル・ブッシュ(Kyle Busch)のナスカー・ジャック、7度F1世界チャンピオンに輝いているルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)とのマシン交換など、素晴らしい旅だった。ぜひハイライトのいくつかをチェックして欲しい。