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Imagery  to suppport Dakar 2022 Honda Racing Team livery. Internal & external use.
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ダカールラリー モンスターエナジー・ホンダ・チームが3連覇を目指す

Dec 282021

最も危険なオフロードレースで、地球上最も過酷な地形が何千マイルと待ちかまえるダカールラリーの3連覇が目前に迫る中、モンスターエナジー・ホンダ・チームはサウジアラビアに到着し、そのプレッシャーを感じている。今回はモータースポーツの歴史を塗り替えようとしているレーシングチームに迫っていく。

ダカールラリーを完走するだけでもすごいことだ。我々は途方もなく難しい話をしている。それは、世界で最もクレイジーで、最も長く、最もタフで、おそらく最も残酷なモータースポーツの挑戦だ。偉業を成し遂げるには、最も過酷な条件下での究極のテストに、ライダーとマシンを含む何千もの可動パーツが完全に調和する必要がある。

ジェッダ、リヤド、ハイル間を2週間にわたって走る第44回ダカールラリーでは、参加者は8300 km強の距離を走行する。この半分(約4150 km)は、結果を左右する時間制限のあるスペシャルステージで、残りはリエゾンセクションで構成される。時間制限のあるスペシャルステージだけをとっても、リスボン・モスクワ間、またはニューヨークからロサンゼルスまでレースするのとほぼ同じ距離になる。従って、ダカールで1度勝利するだけでもすごいことだが、連続勝利を確実にすることはほぼ伝説の域の話だ。

負け知らずのチーム

繰り返しになるが、世界で最も残忍で容赦のないオフロードラリーに優勝候補として参加することは、後続にとって大きな目標になる。モンスターエナジー・ホンダ・チームゼネラルマネージャー、ルーベン・ファリア(Ruben Faria)もそのこと認識しており「2020年と2021年、モンスターエナジー・ホンダ・チームはダカールラリーに勝利した。2022年、我々は負け知らずの優勝候補としてレースに向けて準備を整え、3連覇を目指している」と述べている。

2022年のダカールラリーに向けたカウントダウンは、ケビン・ベナビデス(Kevin Benavides)がモンスターエナジー・ホンダCRF450ラリーに乗ってセンセーショナルな勝利を収めた、前回大会のフィニッシュラインから始まっている。シャンパンスプレーも乾かないうちに、次回の優勝だけを目標にチームは多くの努力を費やす作業に戻った。同大会で優勝した初のアメリカ人ライダーになり、1989年以来初めてホンダにダカールラリー優勝をもたらしたリッキー・ブラベック(Ricky Brabec)によるその前々回大会優勝を経験しているため、チームはこのサイクルを良く知っている。

「ダカールは非常にタフで非常に複雑なレースであり、細かい部分が特に重要になる。ダカール優勝は運任せにはできない。12日間のレース全体で戦術的になり、信じられないほどの正確さが求められる。」とファリアは語った。

未知への備え未知への備え

ダカールのルートは毎年新しくなり、事前に分からないため、予測不可能であることが特徴だ。参加者は、未知の地形を通り抜けながらステージをできる限り速くクリアすることと、各ステージでチェッカーフラッグが振られた翌日にまたレースができるようにリスクを最小限に抑えることの間で微妙なバランスをとる必要がある。

「スピードだけでは十分じゃない。勝つには、バイク、チーム、ライダー、この3つの要素の組み合わせが必要だ。目標を達成するには、これら3つの要素が同じレベルとタイミングで一致する必要がある」とHRCオフロードレース運営室マネージャー本田太一は説明する。

「ダカールラリーのような極端に厳しいレースで秀でるためには、お金では得られない経験と技術的ノウハウが必要だ。それは、現場で得なければならない。ラリーは年に1回。ロシアンルーレットとは違い、成功するチャンスは1回だけだ。シーズンごとに、さまざまな地形や最も予測不可能なレース状況からデータを収集できた。それが、チームとパフォーマンスを進化させるための最良の方法だった」と本田は続けた。

 

チームの紹介

 

ブラベックホアン・バレダホセ・イグナシオ・コルネホパブロ・キンタニラ4名のライダーはモンスターエナジー・ホンダ・チームの精鋭たちだ。各ステージの終わりのビバークを守る30人の多様なクルーたちからの揺るぎないサポートなしには何もできないだろう。
 

メカニック、エンジニア、ロジスティクススペシャリスト、メディアスタッフ、理学療法士、ライダーたちのアドバイザーと、その組織には感心させられる。チームは誰もが羨む成功を収めただけでなく、クロスカントリーラリーパドックで最も称賛されるチームに成長した。2022年は現代のラリーレイド時代の最大にして最強チームを生み出したホンダとモンスターエナジーのダカール・パートナーシップが結ばれてから5回目のシーズンになる。さらに、モンスターエナジー・ホンダ・チームは、CRF450バイクとレースキット全体でリワークされたカラーリングで2022年ダカールに参戦する。

ブラベックは、2020年にダカールラリーを制した初のアメリカ人ライダーになり、ダカールの歴史に新たな1ページを刻んだ。彼の成功はホンダに1989年以来初のダカールラリー優勝をもたらし、18年間続いたKTMのポディウム支配を破った。2021年ブラベックは準優勝に終わったが、変わらず勝利へ焦点を当てている。30歳のブラベックは、「新たな冒険が始まるのを待ち望んでいる。調子は良いんだ。パンデミックの影響で、今シーズンはレースよりトレーニングを多く行っている。それに、カリフォルニアに住んでいるからラッキーなんだ。自宅のガレージからオフロードライディングのトレーニングができる。ラリーの重要な部分であるナビゲーションと、戦略的なアプローチをたくさん取り組んできた。」

コルネホは、オフロードレーサーになる情熱と共に大きくなった。彼は、ダカールがかつて行われた最も象徴的な場所の1つ、チリのイキケで大会が南米で開催された際に生まれた。昨年のポディウム獲得争いでの惜敗が、27歳のコルネホの決意をくじくことは全くなかった。「ダカールラリーは限界を少しでも押し上げようと常に努力する必要がある。僕は夢に生きている。HRCのためにプロとしてレースをする。世界で最も重要なラリーであるダカールラリーに勝つために戦う。レースに出て、再び表彰台を目指して戦うことが待ちきれない。」

2011年のダカールデビュー以来、バレダのモトクロスでの経歴と信じられないほどの荒々しいスピードにより、彼は一目置かれる存在になっている。27回ステージ優勝を収めた38歳のスペイン人ライダー、バレダは最も成功している現役ライダーだ。もうすぐジェッダに到着し、12回目のダカール参戦でまた素晴らしい活躍を見せる準備ができている。「ラリーのタフさを考えると、ステージ優勝の記録は魅力的だ、だがそれ以上を望みたい。競争の水準を考えると、ポディウムは素晴らしい。だが、僕は優勝するために取り組んでいる。他のラリーとは異なり長いレースだ。しかし、本当に良いバイクと素晴らしいチームと一緒なら、僕らは良い仕事をすることができると確信している。」

キンタニラは5月にモンスターエナジー・ホンダ・チームに加わった。10月のモロッコラリーで優勝しており、チームに馴染んでいると言っても過言ではないだろう。この大会がダカールに向かう前の最終テスト大会となった。「前回大会でダカールで勝利しているチームの一員になれたことを光栄に思う。僕にとって、それはここ数年ずっと探し求めていたものだ。チームの雰囲気は本当にいい。ライダー、メカニック、そしてここで働くすべての人々の関係は本当に素晴らしい。レース前に自分で準備できることもあるが、それ以外のことは、適切なチームと適切なスタッフ、そして適切なバイクが必要だ。僕は勝ちたい。優勝するために準備をする。いつものように全力を尽くす。毎日、すべてのステージで100%を出すよ。」

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