


Day Two | X Games Japan 2022
2日目のX Games Chiba 2022は大会最大の見せ場となった。モンスターエナジーのアスリートたちは、BMX、Moto X、スケートボードの主要種目でメダルを獲得した。
ルイス・ミルズ(Lewis Mills)X Games Chiba 2022大会2日目に金メダルを獲得。
2日目のX Games Chiba 2022は大会最大の見せ場となった。モンスターエナジーのアスリートたちは、BMX、Moto X、スケートボードの主要種目でメダルを獲得した。
この日最大のニュースは、23歳のオーストラリア人チームライダー、ルイス・ミルズが競争の激しいBMXストリート決勝で金メダルを勝ち取ったことだ。チーム全体としてはX Games Chiba 2022の2日目に5個のメダル(金1メダル、銀1メダル、銅3メダル)を獲得した。
モンスターエナジー・チームはこの時点で、日本初開催のX Gamesで3競技にわたり合計7つのメダルを獲得している。 X Games Chiba 2022の大会2日目 の試合展開を紹介していこう。
BMXストリート
2日目夜の東京湾では、スポットライトの下BMXストリート決勝が繰り広げられた。ファイナリスト8名はオーストラリア、英国、ナイジェリア、米国4か国の出身者たち。
開催国を称え折り紙から着想を得て設計された先進的なストリートコースは、ライダーたちに挑むかのように、ハンドレール、階段セット、ギャップ、バンク、クォーターパイプがふんだんに設けられている。決勝の強敵は、現チャンピオンにして14個X Gamesの金メダルを保持している米国のギャレット・レイノルズ(Garrett Reynolds)だ。
しかしこの日は、過去の成果はほとんど意味をなさなかった。オーストラリア・テリーヒルズ出身モンスターエナジーのルイス・ミルズのような若い有望選手たちも参戦していた。最後のセッションがヒートアップするにつれて、ミルズと彼のトリックセレクションもヒートアップした。
ミルズがコース全体でクリエイティブなマニュアルとグラインドコンボをつなぎ合わせると、興奮した観衆たちは立ち上がった。ミルズは1本目のランで、バースピンからダブルペググラインド、マニュアルからトゥ―スピック・ハンガーアウトを決めてしっかりと高スコアの基盤を築いた。その他のハイライトは、テールウィップ・オーバーザヒップ、クォーターパイプエクステンションでのバースピン、折り鶴のキッカーを通り抜けるトラックドライバー・エア、ビッグレールを上がるダブルペググラインドからハードウェイ360アウト、ペググラインドバースピンアウト、クルックド・グラインド180などだった。
モンスターエナジー・チームのスコットランド人ライダー、パースシャー出身のアレックス・ドンナチー(Alex Donnachie)がリードしたとき、ミルズは難易度を上げて反撃。オーバークルックからバースピン、クルックド・グラインドをフィーチャーしたコンボからバースピン、マニュアル、クルックド・グラインド180アウト、そしてブザーがなる直前にマニュアル180を決めた。最終的に決勝ではミルズが最後までリードを確立し、彼自身初のX Games金メダルを獲得した。
「優勝したなんて信じられない!みんな想像すらしていないはずだ。仮に優勝したらすごいだろうと考える程度、それが実際に起こってしまった。僕の戦略はランを決めることだった。決められるか確信が持てなかったから。それだけだった。」と、X Games Chiba 2022で BMXストリートの金メダルを獲得したミルズは言った。
ミルズは現在、BMXストリートで2つのメダル(金1メダル、銀1メダル)を獲得している。初めてX Gamesのメダルを獲得したのは、新人として2018年に参戦したX Games Sydneyだった。
BMXパーク
BMXパーク決勝でも、モンスターエナジーライダーは表彰台に上がった。ウォールライド、バーティカルコーナー、エクステンションが設けられたコンクリート製のコースは、クリエイティブでテクニカルなランを見せる機会を提供してくれた。
8名のライダーが出場する決勝で勝利するには、アリゾナ州ツーソン出身の前大会金メダリスト、ケビン・ペラザ(Kevin Peraza)を倒さなければならない。27歳のペラザは、センター部分のジャンプを超える巨大な360インバートからすぐに360ダウンサイド・テールウィップ、クォーターパイプでフレアを決め、調子良くランを開始した。
これまで3個の金メダルを獲得しているペラザは、大きなインディアンエア・オーバーザヒップ、キャンキャンタイヤグラブ、アリウープノーハンダー、スーパーマンシートグラブ、ポケットトランスファーエア、テールウィップポケットエア、Gターン360・オーバーザヒップを披露。すべてのランが終わり、ペラザはX Gamesで4回目の表彰台となる銅メダルを獲得。X Games Chiba 2022で力強いパフォーマンスを見せた。この日の大きな話題は、X Games新人にしてモンスターエナジー・チームライダー、バージニアビーチ出身22歳のジャスティン・ドーウェル(Justin Dowell)がその先を行ったことだ。
スタイルと一貫性を保ってコースに挑むドーウェルは得意とするテールウィップバースピンを同時に行う「Twix」エアのような動きでジャッジを感心させた。若いドーウェルはまた、ルックバック、トラックドライバーからテールウィップ、540タック・ノーハンダー、ダブルテールウィップなどのエアを精巧に仕上げた。またビッグクォーターで540テールウィップとテクニカルなフレアルックバックを決め、ドーウェルはX Gamesデビュー戦で銀メダルを獲得した。
驚くにはあたらない。ドーウェルは2018年に中国の成都で開催された2018年UCIアーバンワールドサイクリングチャンピオンシップで優勝し、既に注目を集めている。
女子スケートボード・パーク
地元の観客たちは、女子スケートボード・パーク決勝で日本人ライダーの力強いパフォーマンスを堪能した。8人のファイナリストのうち4人が日本出身で、日本人スケーターたちは最終的に表彰台を独占することになった。
表彰台に上がった3名のなかに若きモンスターエナジーライダー滋賀県彦根出身20歳の手塚まみがいた。多種多様なトリック、高速アプローチ、クリエイティブなトランスファーで知られる手塚は昨年夏のX Games 2021で銀メダルを獲得しており、メダル候補として参戦した。
1本目のランで手塚は、トランスファーエアでスリップし早々に終了。次の試技で落ち着きを取り戻した手塚は、難しい状況でフロントサイド・スミスグラインドを、フロントサイド・エアトランスファー・ザヒップ、エクステンションをトランスファー・フロントサイド・テールスライドで上がり、インディエア、エクステンションで反転し、コーナーをフロントサイド・フィーブルグラインド、完璧にランをまとめた。
最後のジャムセッションが進むにつれ、手塚は難しい状況でバックサイド・スミス・グラインド、ギャップからエクステンションでフロントサイド50-50トラックバッシュと難易度を上げた。最終的に手塚は、1位の四十住さくら、2位の開心那に続く3位で銅メダルを獲得。
この銅メダルは2019年バンズパークシリーズ世界選手権決勝で3位入賞など、まだ始まったばかりの手塚のキャリアのなかで2つ目のX Gamesメダルとなった。
Moto Xベストウィップ
この週末に行われたモータースポーツ唯一のメダル競技、Moto Xベストウィップでは、ZOZOマリンスタジアム内にエンジンの轟音が響き渡った。この目を見張る「ウィップ」エアリアルの空中ショーは日本の観客を魅了した。8分間のジャムセッションでライダーたちは空中でバイクを捻り倒し、全体的な印象でジャッジが下された。
カリフォルニア州エンシニータス出身で、X Gamesで9個のメダルを獲得しているアクセル・ホッジス(Axell Hodges)や日本人リッパーの渡辺元樹など、同競技のレジェンドたちが千葉にやって来た。この競技で勝利するには、前回大会の金メダリスト、米国出身のトム・パーソンズ(Tom Parsons)を倒さなければならない。
レジェンドたちと金メダリストのなかで、1人の新人が表彰台に上がりスポットライトを浴びた。ベルギー・オファン出身、X Gamesの新人でモンスターエナジーのチームライダー、ジュリアン・ヴァンスティッペン(Julien Vanstippen)だ。
26歳のヴァンスティッペンは開始からスーパーキッカーのギャップを越えて壮大なウィップを放った。数回のランで、ヴァンスティッペンは後ろ向きに空中を移動するターンダウンスタイルの捻ったウィップでリードを取った。
セッションが終わったとき、ヴァンスティッペンは最後の試みでパーソンズとタイラー・ベアマン(Tyler Bereman)の後塵を拝していた。しかし、彼は大会デビューにしてMoto Xベストウィップで銅メダルを獲得した。X Games Chiba 2022におけるモンスターエナジーチームの強力なパフォーマンスの中でも印象に残る結果だ!
X Gamesのアクションを見逃した人たちへ朗報がある。X Games公式YouTubeチャンネルで、BMX、Moto X、スケートボードの全競技の模様が配信されている。
残すは最終日。X Games Chiba 2022は男子スケートボード・パークと男子/女子スケートボード・ストリートで締めくくる。最終日の大会レポートも要チェックだ。